こどもたちの成長

2012年09月26日

この夏のりんごの森のKIDS SCHOOLは、
南千歳公園で高校生のお姉さんお兄さんとJAZZライブのステージバックを描いたり、

みんなで大きな大きな【宇宙の花】を描いたり、

自分で創作した物語を想像しながらキラキラな【夜の海の熱帯魚】を描いたり








【宇宙の始まりの形】を想像してみたり、








こどもたちは段々と自分で“イメージする”お題にも挑戦しています。




そして、この秋の第一作目の教室は、
“紙版画に挑戦!”でした。

と、言っても、紙版画なので、何かを彫ったりするわけではないんですが、
細かく切ったり貼ったり、それでも集中力が必要なんです。


今回のお題は、

【スキな古代の絵を元に版画を刷ろう】


で、
その教室の前日に遊びに来てくれた元生徒のデザイナーたちに言われたコトバがこちら↓






「・・・小学生に、“スキな古代の絵”なんかあるの?」

たしかに。笑




いやいや…
ナイなら逆にちょうどいい機会だ、
図書館に行って調べてみてね、と。笑



それにこのお題は、2年生Kくんの
『おれエジプトの壁画とかスキなんだよね〜』
という一言から着想を得たお題なんです。


そんなわけで教室の当日は、
図書館で借りて来た重い本が数冊入った手提げ袋を
入り口でお母さんに渡された2年生Sくんが、
それを引きずるようにして自分の席まで運ぶ姿なんかも見られました。笑
いやあれは、ホントに重かった。笑

でも、図書館に本を借りに行って、エジプトについていろいろ見たSくんが、

『ぼくねーこれが描きたいんだ』

と言って見せてくれたのが、
黄金の玉座に描かれた少年王ツタンカーメンとその妻アンケセナーメン。
さすがいろいろ見ただけのことはある!
うんうん、あれステキだよねicon12


みんなそれぞれ、気に入った絵を元に版画を造りました。


たぶんね、最初は難しくてムリかもって思ったと思うんですよね、みんな。
わたしも前日、遊びに来たデザイナーたちと、試しに造ってみたわけです。

確かに、簡単じゃない。


でもね、オモシロかった。


そして、実際にこどもたちが仕上げた作品は、
これが、とってもステキでした。
そう、全然ムリじゃなかった。


では、先ほど出て来た浅川小2年生トリオの内のふたりの作品をお見せします。

まずは小学2年生Sくんの

【少年王ツタンカーメンとその妻アンケセナーメン】


ふたりの仲の良いカンジも出てますね。


そしてこれが、
エジプト壁画好きの小学2年生Kくんの

【ミイラの身体を蘇らせ、冥界への旅へ誘うアヌビス神】


背景に目と剣のマークを入れて来るあたり、さすがKくん!


和紙に3枚ずつ刷ったんですが、
版画って、刷りによって同じ版でも少しずつニュアンスが違っておもしろいんですよねー

みんな切ったり貼ったり、細かい作業をよく頑張ったねー!
やっぱり、この課題やってよかったなぁ(^ U ^)と思いました。


小学生に対しても、高校生や浪人生に対してもそうなんですが、
わたしが課題を考える際に、
自分の中でぶらさない軸にしていることがあるんです。

それは、“相手を見くびらないこと”

つまりは、
こどもだからこれくらいしかできないだろうとか、
高校2年生じゃまだこれはできないだろうとか、
そういう風に相手を見くびって課題を考えたり、出題したりすると、
相手の力を引き出せないと思うんですよね。

ちょっとムリ目のところに手を伸ばすことで、
人って成長すると思うんです。


りんごの森のKIDS SCHOOLは、
何かのつくり方を教える教室だとは、わたし自身は思っていないんです。
“つくる”ってことを通して、こどもたちに沢山の
「やってみたらできた!」っていう体験をしてもらいたいナと思って毎回やっています。

そして、今まで興味のなかったことに目が向くようになったりして、
こどもたちの好奇心のアンテナがぐんぐん伸びていったらいいナと思うんです。

だってこの世界って、
おもしろいモノやステキなコトが沢山あるとおもうんですよ。ホントに。

ものの見方ひとつで、昨日までの景色が今日には一変するかもしれないし、
昨日まで知らなかったことなのに、
知っちゃったらもう今日からは夢中になるかもしれない。

わたし自身が、そういうことのきっかけをこどものころから
“つくる”ってことを通してみつけてきたので、
今度は、“つくる”ってことを通してこどもたちに伝えていけたらいいナ、と思います。

だから、語弊があるかもしれないけれど、

絵がうまくなるとか、そこを第一には考えてないんですよ、KIDS SCHOOLは。

これ言っていいのかな。笑


でも、そうですね。

結果として何かがうまくなったりはするかもしれないけれど、
こどもたちが何かに挑戦してみてできた時の誇らしそうな笑顔とか、
こないだまで集中力が続かなかったコが、ずっと長い事集中して制作できるようになったとか、
段々自分に自信がついてきて、自分の思っていることを言葉にして伝えるのがうまくなってきたとか、
“つくる”ってことを通して引き出されるそういう変化や成長の方が、
ずっとずっと大事なことだと思っています。

そして、
うまくできないことを一旦受け入れて、
そこからうまくできるように工夫してみることを学ぶこと。
それも大事に考えています。

命に関わる失敗じゃなければ、どんどん失敗したらいいと思うんですよ。
何回転んだって、それと同じ数だけ立ち上がればいいんですから。



最近、りんごの森に半年くらい通って来てくれているこどもたちが、
真っ白い紙に何か描く時の最初の一筆を怖がらなくなってきたんです。
そこにわたしはこどもたちのすごく大きな成長を感じています。

それって、“コワいけどとにかくやってみよう”っていう姿勢の現れだと思うんですね。

コワいものは、コワいと思うままでいいと思います。
けど、「コワいからやらない」ってことを習慣化してほしくない。
それは、この先のいろんな可能性を狭めると思うんです。
まぁ大人でもそうですけど。

やっぱり成長する時って、
「コワいけどやってみる」って姿勢だった時なんじゃないかと思うんですよね。

恐れを知らない無敵な人になる必要なんてなくて、
コワいものはコワいまま、それでも一歩踏み出す勇気、
それをわたしは“瞬間最大勇気”って呼んでるんですが・・・
わたしは自分で、
その“瞬間最大勇気”は
怖いもの知らずの勇者よりも“上”って思っています。笑


わたしは人から、怖いもの知らずに見えるそうなんですが(なんでだ?^_^;)、
実際には、自分では“ビビリ”だと思います。
でも、もし人にそうは見えないというのなら、それは“瞬間最大勇気”のおかげです。笑


だから、こどもたちの「やってみよう!」っていう動き出す瞬間の勇気に共感するし、
毎回、スゴいなぁと思います。
そして、こどもたちが作った一作一作を
今日の勇気と挑戦の結晶だ!と感じます。

わたし、絵の描き方なんて教えてないんです。笑
だってこどもたちって、最初からみんな“天才”なんですもん。
絵に関しては間違いなく、こどもたちに教えられる事の方がはるかに多いのです。



秋はここから、こどもたちが何を見せてくれるのか、
今から楽しみです!


★デザインとアートの教室 りんごの森 ウェブサイトURL
http://ringo-no-mori.com


  


Posted by りんごの森のミズキせんせい at 23:40Comments(0)りんごの森のKIDS SCHOOL