修了制作 第2位
2015年04月16日
りんごの森 14年度修了制作より
りんご内コンペ第2位
もい(長野吉田高校)の
【消しゴムケース JEAN】
◆ 修了制作課題
「日常の中の“ちょっとひっかかること”をデザインで解決してみよう!」
◇ 条件:
・プロトタイプの制作
・製品及び使用イメージ写真の撮影
・B2プレゼンボードの制作(枚数自由)
・プレゼンテーション(3分)
もいが着眼した日常の中の“ちょっとひっかかること”は、
誰にでも経験があるはずの
消しゴムを使っていくと、中の消しゴムだけが小さくなるので、
結果として、よれたり折れたりして、
消しゴムケースが段々とダメージを受けてボロボロになっていくという現象です。
これを「なんか汚くてイヤだな」と感じる。
そういう何気ない日常の一コマに着眼しました。
そして、それをデザインで解決してみようというのが今回の課題なわけですが、
その“解決の方向性”に、もいの視点のおもしろさが現れています。
どういうことかというと、
通常の場合、すぐに思いつく解決策は、
「その不都合が起こらない方向に変える」ということですよね?
例えば消しゴムケースがボロボロになるのが嫌なら、
「素材をもっと堅牢な素材にして、ダメージを受けにくくする」というように。
ですがもいは、
それとは全く違う方向にデザインのベクトルを向けました。
つまり、「むしろボロボロになっていい」という方向です。
使い込むとダメージを受けてボロボロになるけど、
それがむしろカッコいいものってなんだろう?
それと合わせたらいいんじゃないか?そう考えたわけです。
そして生まれたのがこの【消しゴムケース JEAN】です。
非常に単純明快なアイデアなので、見てみましょう。
《製品画像》
新品のインディゴジーンズが・・・


どうです?
なんて解り易い答えでしょうか。
しかも、ケースを短くするために切り取ることを想定して(これもよくやりますよね)
ケースの内側にはデニム生地の裏側が印刷されています。↓

しかも、裾の折り返しとステッチの印刷までされていました!
高校生であるもいが、
気づくか気づかないかのギリギリのラインの仕掛けで、
気づいた人が“誰かに話したくなる効果”を狙ってきた。
ここも見逃せないポイントだと思います。
こういうことって、誰にでもできるようでいて、実はなかなかできないものです。
高校生に限らず、自分が作って気に入っているものって、「見て見てー!」って主張したくなるものでしょう?
そこをぐっと抑えて、気づいた時の「!」って感覚を狙ってくる。
なかなかどうして大した物です。
そして、プレゼンボードのデザインが、製品イメージに合わせて作られていたことも、
もいの提案への得票数につながりました。

もちろん、グラフィックデザイン的にはまだベストではないでしょう。
それでも、製品イメージとプレゼンボードとプレゼンテーション用に選ぶ言葉=言葉のデザインまでの全てを
ひとつのデザインプロジェクトとして一貫性のあるものに落とし込む。
このことをきちんともいが意識している。
これって、特筆すべきことだと思うのです。
だって、高校生のもいが、ですよ。
そしてつまりこれが、
りんごの森っ子が、デッサンや色彩構成と併行して学んでいることでもあるわけです。
だって、大学に入ったらもう、デッサンなんて描かないですからね、特にデザイン科は。
教室に入って来た時には、人前でもじもじしちゃってたコが、
「準備はできてる。50人でも100人でもドンと来い!」
そう思って、大学1年生の最初の課題のプレゼンに臨めたら、
それってステキなことだと思うんです。
それがニガテで、引きこもっちゃう美大生だっているんですから。
そんなわけで、
日々、ムチャぶりばかりして、りんごの森っ子を逞しく育てているわけです。笑

もい、
シンプルな答えに辿り着くまでの沢山の“引き算”、
お見事でした!
りんご内コンペ第2位
もい(長野吉田高校)の
【消しゴムケース JEAN】
◆ 修了制作課題
「日常の中の“ちょっとひっかかること”をデザインで解決してみよう!」
◇ 条件:
・プロトタイプの制作
・製品及び使用イメージ写真の撮影
・B2プレゼンボードの制作(枚数自由)
・プレゼンテーション(3分)
もいが着眼した日常の中の“ちょっとひっかかること”は、
誰にでも経験があるはずの
消しゴムを使っていくと、中の消しゴムだけが小さくなるので、
結果として、よれたり折れたりして、
消しゴムケースが段々とダメージを受けてボロボロになっていくという現象です。
これを「なんか汚くてイヤだな」と感じる。
そういう何気ない日常の一コマに着眼しました。
そして、それをデザインで解決してみようというのが今回の課題なわけですが、
その“解決の方向性”に、もいの視点のおもしろさが現れています。
どういうことかというと、
通常の場合、すぐに思いつく解決策は、
「その不都合が起こらない方向に変える」ということですよね?
例えば消しゴムケースがボロボロになるのが嫌なら、
「素材をもっと堅牢な素材にして、ダメージを受けにくくする」というように。
ですがもいは、
それとは全く違う方向にデザインのベクトルを向けました。
つまり、「むしろボロボロになっていい」という方向です。
使い込むとダメージを受けてボロボロになるけど、
それがむしろカッコいいものってなんだろう?
それと合わせたらいいんじゃないか?そう考えたわけです。
そして生まれたのがこの【消しゴムケース JEAN】です。
非常に単純明快なアイデアなので、見てみましょう。
《製品画像》
新品のインディゴジーンズが・・・

▼
使いこむ内にダメージシーンズに!
どうです?
なんて解り易い答えでしょうか。
しかも、ケースを短くするために切り取ることを想定して(これもよくやりますよね)
ケースの内側にはデニム生地の裏側が印刷されています。↓

しかも、裾の折り返しとステッチの印刷までされていました!
高校生であるもいが、
気づくか気づかないかのギリギリのラインの仕掛けで、
気づいた人が“誰かに話したくなる効果”を狙ってきた。
ここも見逃せないポイントだと思います。
こういうことって、誰にでもできるようでいて、実はなかなかできないものです。
高校生に限らず、自分が作って気に入っているものって、「見て見てー!」って主張したくなるものでしょう?
そこをぐっと抑えて、気づいた時の「!」って感覚を狙ってくる。
なかなかどうして大した物です。
そして、プレゼンボードのデザインが、製品イメージに合わせて作られていたことも、
もいの提案への得票数につながりました。

もちろん、グラフィックデザイン的にはまだベストではないでしょう。
それでも、製品イメージとプレゼンボードとプレゼンテーション用に選ぶ言葉=言葉のデザインまでの全てを
ひとつのデザインプロジェクトとして一貫性のあるものに落とし込む。
このことをきちんともいが意識している。
これって、特筆すべきことだと思うのです。
だって、高校生のもいが、ですよ。
そしてつまりこれが、
りんごの森っ子が、デッサンや色彩構成と併行して学んでいることでもあるわけです。
だって、大学に入ったらもう、デッサンなんて描かないですからね、特にデザイン科は。
教室に入って来た時には、人前でもじもじしちゃってたコが、
「準備はできてる。50人でも100人でもドンと来い!」
そう思って、大学1年生の最初の課題のプレゼンに臨めたら、
それってステキなことだと思うんです。
それがニガテで、引きこもっちゃう美大生だっているんですから。
そんなわけで、
日々、ムチャぶりばかりして、りんごの森っ子を逞しく育てているわけです。笑

もい、
シンプルな答えに辿り着くまでの沢山の“引き算”、
お見事でした!
デザインとアートの教室 りんごの森 URL
http://ringo-no-mori.com
Posted by りんごの森のミズキせんせい at 22:29│Comments(0)
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