秋の森

2012年11月19日

10月27日・28日
【りんごの森の秋の空間アート大作戦!】


りんごの森に通うみんなで教室を秋の森に変えました。

秋の森

タイトルは、
[落ち葉舞い散る森のじゅうたん]

りんごの森のキッズスクールのこどもたちと美大予備校 DESIGN PLANTの受講生が力を合わせて造った空間アート作品です。

小学生も3歳や5歳のちびっ子たちも、お姉さんやお兄さんと一緒に
みんな夢中で落ち葉を空間いっぱいに広げていきました。

そして出来上がったのは、ホントにホントにステキな空間でした。

秋の森
秋の森
秋の森
秋の森
秋の森
秋の森
秋の森

ね?ステキでしょ?


そしてその空間に、前日キッズが造ったきのこの切り絵を展示して、
見慣れたはずの教室空間は、すっかりステキな秋の森に大変身。

秋の森




この空間におうちの方も集まる中、
前の週にキッズたちが造ったコマ撮りアニメを上映して、
秋のステキな2日間は幕を閉じました。



この空間に、どれだけこどもたちの歓声が響いていたか、
それを見る中高生たちがどんなにやさしい笑顔だったか、

それはちょっと、今思い出しても体温が気持ちちょっと上がるような
そんなステキな光景でした。



しかも、今回はこれを、
中学生〜浪人生のデザインプラント生が構想・運営・実行してくれたのです。


「モノだけでなく、コトもデザインする」をテーマに
春から続けて来たワークショップ講座【HAPPY PROJECT】の今年度集大成として、
今回は彼らに企画を丸投げ。笑

わたしから彼らに伝えた条件は、
[落ち葉舞い散る森のじゅうたん]という空間いっぱいの作品を造るので、
その方法を考えてください。

ということ。
それから、
こどもたちが“つくることをたのしみながら制作できるように工夫してください”ということ。
そして、
それを2時間でつくり上げるように実施してください。
ということでした。

まぁ、葉っぱを描く方法くらいはヒントを出しましたが、
後は、全部彼らが考えて、実施してくれたことです。

しかも、それを伝えたのは前日の朝。



彼ら、よく頑張ったと思いませんか?


こんなだから生徒に“ドSメガネ代表”とか言われるんでしょうか?笑
でも、ちょっとムリ目の時間設定が、人の能力を引き出すのもまた事実。
締切を味方につけることで、クリエイターは力を発揮できるのです。


前日は、みんなでブレストして当日の方向性を決め、道具の準備なんかもして、
模試でメンバーが全員揃わないながらも浪人生NやMが主導しながら段取りよくスムーズに進めてくれ、
準備は、予定時間より早く終わったくらいです。

秋の森

まぁその影響で、白馬から通っている中学生Hくんは、
おうちの方のお迎えの時間までに結構時間が余ってしまったんですが・・・(^^;)
なので、
一緒にジャン・ジオノ の原作をアートアニメーション界の巨匠フレデリック・バックが映像化した 【木を植えた男】を観ました。

秋の森

色鉛筆で描かれた独特の世界観は、普段見慣れている“アニメ”とは違うので、
中学生のHくんはちょっと驚いたかもですが、
いわゆる“アニメ”とはマーケットが違うこのアートアニメーションの分野には、
とっても魅力的な作品が多いのです。
なのに普段なかなか目にする機会がないのは残念だなぁと思います。


さて話を戻して...

そんなわけで、
デザインプラント生が、
この企画の準備も当日の段取りや時間調整なんかも全て行ってくれたわけです。

秋の森

彼らが意図した「散歩道みたいになればいい」という落ち葉のない“道”の部分も、
作品が出来上がるにつれて、ホントに“散歩道”になっていき、

ちびっこたちがその小道を駆けて、
『絵の具くださ〜い!』と、
“絵の具係”の高校生たちに絵の具をもらいに行ったりする様子を観ていると、

なんだかしあわせな気持ちになりました。

秋の森


小さなグループをまとめる班長さんたちも、全体の総指揮をとる浪人生Nも、
普段はちいさなこどもたちとは接点のない生活をしています。

でも、この日の彼らは、こどもたちと同じ目線で話しかけたり、
説明したり、一緒に笑いながら作業を進めていました。
『ちっちゃい子となんて、どうやって話したらいいかわかんない』
なんて言っていた彼らが、
そういうことを自発的に自然とやっていたことは、新鮮な驚きでした。

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秋の森


予備校部門では一番年下の中学2年生のHくんだって、
班長になったからには、と一生懸命“お兄さん”をやってくれていましたよ。

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中高生とちいさな子達が一緒に同じ作品をつくるなんて、
なかなかできない体験ですから、
こどもたちにとっても、中高生にとっても、もちろん浪人生にとってだって、
いい体験になったと思います。
きっと、互いに学ぶ事があったと思うのです。

秋の森


そして何より、
こどもたちのちいさな手で、
ひとり100枚に近いくらいの落ち葉が空間全体に広がっていく様は、
本当に圧巻でした。




夜、こどもたちが帰った後、
落ち葉の上にデザインプラント生のみんなで座って、
ちょっと感想を言い合ったりしました。


模試で1日目から参加できなかった高校生が、
『最初から参加したかった!』と言っていたり、
1日目の構想や準備では、
当日総指揮をとった浪人生Nと一緒にみんなを引っぱっていた浪人生Mも、
当日は模試で制作に関われず、
模試が終わってからホントに完成ギリギリくらいの時間に上田から駆けつけてくれたので、
Mにとっては、前日の完成イメージ図でぼんやりと思い浮かべていたイメージが、
教室に入るなりそこに具現化していた、というような状態だったわけです。
そのMが、

『昨日、二次元の中で予想した三次元のイメージを越えていて、やっぱり実際の空間の力ってすごいなと思った。』

と言っていました。

そして、『ホントに今日一緒にやりたかった・・・。』とも。

まぁこれは、当日の朝にも、メールが来ていたんですけどね、

『模試サボりたいです・・・こどもたちは何時頃までいるんですか?』と。



きっと、
受験生としての苦渋の選択をして(^_^;)模試に出かけて行ったのでしょうね。
M、よくガマンしたネ!


そんなこんなを話した後、
会期のあるインスタレーション作品の宿命として、
作品は、会期が終わればこの地球上からなくなってしまう運命・・・


というわけで、
みんなで教室を元に戻しました。

誰に強いられるでもなく、誰かが床を拭き、机を出し、ゴミをまとめ、
心地いい疲れとはいえ、お腹もすいて疲れていたはずの彼らが、
教室を元通りにして帰っていったのを見て、ちょっと感動しましたね。

当たり前のようでいて、なかなかできないことです。
気づいたことを率先してやる、ということは。
疲れている時には特に。

秋の森


そして、
今度やる時は、デザインプラント生たち用のお菓子を用意しておこうと思いました。

山盛りあったはずのお菓子はみんな、
キッズがキレイに平らげましたからね。笑




でもホントに、
つくるって、
どうしてあんなにお腹がペコペコになるんでしょう。


秋の森

きっと、体も頭も心も全部使ってつくるからだよね。



りんごの森キッズのみんな、
デザインプラントのみんな、
オツカレさま!



あの空間をわたしはこの先ずっと憶えていると思います。

真っ白な床をみんなが少しずつ少しずつ秋色に染めていった時間は、

2時間という時間の概念を越えて、


落ち葉が舞い散る光景に何時間も見とれていたようでもあり、

あっという間に終わってしまって、ちょっとさみしいようでもあり、

不思議なカンジがしています。



でもその空間を体験できたわたしは、
ルーヴル美術館を貸し切りで鑑賞するくらい贅沢な人だったと思うのです。




みんな、ステキな空間作品、ありがとう。

秋の森



そして、今年度の一大イベントが終わり、
デザインプラント生は、ここからいよいよ受験シーズン本番です。

でも、
「つくるって、本来たのしいもの。」
そこに立ち帰れたみんなは、ここから先も頑張っていけると信じています。


今回、総指揮をとった浪人生Mの言葉。

『ここまで、コトをデザインすることを学んで来て、
でもどっかで、まだ形や色だけにこだわってた。
でも今回、カタチじゃなくて、色じゃなくて、
初めて“コト”がデザインできたと思う。』



そう、
今回つくったのはアート作品で、
でもこの企画を構想・運営するのに使った力は、
彼らの“たのしいコトをデザインする”っていう企画力
でした。


この体験が、これから自分たちのクリエイティヴィティを使って社会に貢献していくために
大学で学問としてデザイン・工芸分野を学ぼうという彼らの

“向き不向きもやりがいも、やってみるまでわからない。だからとりあえずやってみよう!精神”

ちょっとでも後押しする体験になってくれたらいいナと思います。


だって実際、
『ホントにこどもと一緒にやるんですか?』
『何やるんですかー?コワいな〜〜』って、
言ってたんですよ。彼ら。笑


でも実際終わってみれば、
『あ〜楽しかった〜〜』
って。
『こどもたちが楽しそうでうれしかったー』
って。
『あ〜最初から最後まで一緒にやりたかった〜〜』
って。

そう、やってみなきゃわからんのだゼ。

何かをやった後、
自分がそれをどう感じるかなんて、
実際にやってみなきゃ
ホントのところはわからんのだゼ。

何事もナ。(・_ < )


秋の森


デザインとアートの教室 りんごの森
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この記事へのコメント
はじめまして。
私も長野市で造形教室を開いています。
授業とてもよかったですね~!
作品もそうですが異なる年齢の子ども、生徒、大人たちが
それぞれの役割を担いながら完成へ持っていくプロセスが
魅力的でした。
機会あれば是非教室を覗かせてください。
もちろんこちらへも是非^^
Posted by atchalle at 2012年11月20日 05:23
atchalleさま

コメントありがとうございます。
そう言っていただけてとっても光栄です。

まだまだ駆け出しですが、
こどもたちや中高生から沢山のことを学びながら
日々、前進していきたいと思っています。
よろしくお願いいたします。
Posted by りんごの森のミズキせんせいりんごの森のミズキせんせい at 2012年11月20日 20:49
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